お気に入りを品良く組み合わせたタイムレスな邸宅 ロデリック・ビーティ邸のご紹介-アメリカ西海岸インテリア探訪Part5

皆さん、こんにちは。
クラージュプラスの上木崇大です。
弊社では、海外のトレンドや建築を学ぶために研修としてインテリア探訪をしております。
今回の研修を通して、皆さんに知ってもらいたい情報を全5部に分けて、ブログにて発信をしていきます。

Part01.インテリア市場のトレンドを感じる ブレントウッドのセールハウス
Part02.ハリウッドのインテリア業界の現在
Part03.徹底された世界観 フィリップ・ディクソン邸
Part04.非住宅建築にみるインテリア
Part05.お気に入りを品良く組み合わせたタイムレスな邸宅 ロデリック・ビーティ邸
Part06.インテリアから滲む個性と知性 靖子邸

今回は本シリーズ最後の『お気に入りを品良く組み合わせたタイムレスな邸宅 ロデリック・ビーティ邸』についてのお話です。
是非、楽しんでご覧ください。

家具デザイン黄金期と呼ばれるミッドセンチュリー

1950年代に建てられたミッドセンチュリー住宅を当時のデザインを尊重しながら手を加えた物で、 アメリカンフットボール大学リーグのローズボウルが開催される事でも有名な高級住宅街パサディナに建つ建物です。

スイムファッションブランドのブルーロッド・ビーティのデザイナーが実際に暮らす邸宅。
デザイナーらしい感性で、自身の好みのデザインを見事に調和させた空間となっていました。

配置されているラウンジチェアやブラケット照明にペンダント照明、どれも1950年頃のミッドセンチュリーと呼ばれる アメリカを中心として起こったデザインのムーブメントの中で生まれた物を建物と同様に、ヴィンテージとして手に入れリペアし現代でも使えるようにした物ばかりだそうです。

入った瞬間、画像でしか見たことはないのですが、デンマークの家具デザインの巨匠ボーエ・モーエンセンの自邸に似た雰囲気を感じたのは、モーエンセンもまたミッドセンチュリー期に活躍したデザイナーの一人だったからなのかもしれません。
第二次世界大戦が終戦し、軍事利用の為に開発された素材やその加工技術が、 一挙にデザインの世界や工業、商業の世界に活用されるようになった時代。
当時のアメリカや北欧で生まれたデザイン達は半世紀以上たった今もなお 世界中で愛されて続けています。

あちこちで寛ぐ

玄関を入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、広大な庭を臨むガラスの壁。
リビングとダイニングは庭に向かって全面ガラス張りの開放的な空間となっていて、室内に居ながら、外の自然を感じることができます。

室内外を一体的に感じられる試みとしてガラス外壁の上下は、床と天井にそのまま差し込まれていて枠がありません。 また、内と外で天井材や床のタイル材が合わせられています。

しかし、ただ外に向かって開けているだけではなく、 純日本家屋のように低く大きくせり出した軒の存在によってどこか外部から守られているような安心感を感じる事ができました。
実際にカリフォルニアの強い日差しから室内を守る役目も担っているようです。
開放的な全面ガラス外壁の反対側には、対照的に少しコンパクトに暖炉や造作のベンチが据え付けられたリビングコーナーが設けられています。

このチーク材の板張りの壁で囲まれた空間が、安心してくつろげる居場所になっていました。
日々の様々な心理状態や健康状態を受け容れる箱としての家には、 こんな風に異なる特性の寛ぎスペースがあると飽きの来ない物になるのだと気づかされました。

永く愛せる家づくり

ハリウッドとその周辺地域には様々なテイストの住宅、建築物が存在しています。
それは、様々な背景を持った人々が集うからだと、今回のツアーを企画してくださった ADコアの瀬戸代表が教えてくださいました。

その人が持つ背景が違えば、インテリアや建築様式の感覚・好みも違います。
こちらの邸宅は1950年代に建てられた住宅を、当時のデザインを尊重しながらリノベーションを行い、 キッチンやバスルームなどの設備を新しくするのはもちろんのこと、寝室やゲストルームは自分好みにカスタマイズされていました。
このような古い建築を活かす住まいの考え方が、アメリカでは一般的なのだそうです。
アメリカでは終の棲家という意識は薄く、自身の所得の変動に合わせて 都度住まいを資産として考えて、購入と売却を繰り返しながら移り住んでいくのだそうです。

日本とは地震の発生頻度や湿度などの環境が異なりますが、 時代を超えて愛される住まいづくりと、その住まいを少しアレンジして自分好みにカスタマイズするそんなサスティナブルな家づくりの形が日本でも求められているのかもしれないと考えさせられました。

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