「一期一会」の精神で、その瞬間にしかつくれない価値を形にする

私は「人のふり見て我が振り直せ」という言葉を常に胸に刻み、日々の行動や仕事の取り組み方を磨いてきました。この言葉は私にとって自己成長の指針そのものです。他者の良い点を積極的に吸収し、自分に足りない部分や改善すべき点を素直に受け止めて修正していくことで、現場においても人間関係においても信頼を積み重ねることができると考えています。建築の現場は多くの人が関わり、さまざまな考え方や価値観が交差する場です。その中で、周囲の姿勢や行動から学び、それを自分の仕事に反映させていく姿勢は、質の高い成果物を生み出すために欠かせないものだと強く実感しています。

これまでの経験から、私は現場において机上の理論だけでは対応できない課題や判断が数多く存在することを学びました。設計図やマニュアルに書かれていることだけでは解決できない突発的な問題や調整は必ず発生します。だからこそ、これまで培った経験値を活かし、状況に応じた柔軟かつ最適な判断を下すことを常に意識しています。建築は一つひとつの現場が異なり、同じ条件や環境は二度と訪れることがありません。そのため「一期一会」の精神で、すべての仕事に全力で向き合い、その瞬間にしかつくれない価値を形にすることを大切にしています。

「お客様と私たちだけの唯一の建築」を目指す

お客様にとって建築は大きな買い物であり、その空間は長く生活や活動の基盤となるものです。私はその重みを理解し、お客様との対話を通じて要望や想いを深く汲み取り、「お客様と私たちだけの唯一の建築」を目指しています。単に設計図通りに建てるだけではなく、そこに込められた背景やストーリー、お客様の生活スタイルや価値観までを考慮しながら、理想を現実に落とし込むことこそが私の使命です。完成した建物が単なる「箱」ではなく、お客様にとって誇りや安心感を与える「居場所」となることを強く意識しています。

また、建築現場の管理においては、安全・品質・工程のいずれも妥協せず、丁寧かつ綺麗な現場づくりを心がけています。現場は建物の完成前からお客様や関係者の目に触れる場所であり、その状態は仕事の丁寧さや誠意を映し出す鏡だと考えています。清潔で整理整頓された現場は安全性を高めるだけでなく、作業効率の向上や職人同士の信頼関係の強化にも直結します。さらに、現場で働く人々が気持ちよく仕事に取り組める環境を整えることは、結果として建物そのものの品質向上にもつながると確信しています。

私は今後も、自らの姿勢を常に見つめ直し、経験から学び続けることで、お客様やチームから信頼される建築人であり続けたいと考えています。そして、一つひとつの現場を「特別な出会い」と捉え、丁寧な管理と確かな品質で唯一無二の建築を形にしていきます。その積み重ねが、社会に必要とされる建築を生み出し、人々の暮らしをより豊かにしていく力になると信じています。